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就職難に陥ったOD(オーバードクター)たちが何を望んだのか。もちろん、大学や研究機関の店員の増員なのだが、もう1つ望んだことがあった。それはポストドクトラルフェローシップ制度、いわゆるポスドクの充実だ。
え? ポスドクは当事者が望んだの?
今考えるとちょっと変な感じがするが、理由はこうだ。
ODは身分も不安定で、給料もなく貧しい暮らしをしている。そんなODたちに、せめて常勤のポストが得られるまで、身分と給料を保証してくれないか、というわけだ。
(略)
こうした当事者の声は、文部省の学術審議会の答申「学術研究体制改善のための基本的施策について」(1984年)につながる。この答申でポストドクトラルフェローシップ制度の導入が提言された。
これに基づき、1985年、「日本学術振興会特別研究員制度」、通称「学振(ガクシン)」が誕生する。2009年暮れの「事業仕分け」でやり玉に挙がったあの制度だ。
— 榎本英介「博士漂流時代〜「余った博士」はどうなるか?」P.93-94